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おしゃべりねこ

豪勢だった東濃の食・ヘボというもの など

豪勢だった東濃の食・ヘボというもの など_a0203003_12200384.jpg
 様変わりしてしまったが、あの頃この川に鮎や鰻がいて、養父は鰻をよく獲って来た。あまり沢山とれると、焼くのがたいへんで養母が小言を言っていた。裂くのは養父なんだけど。
 周りの山で松茸が採れて、土瓶蒸しはお総菜あつかいだったし、いまは堅くご禁制のカスミ網で獲ったツグミなんかも食べたから、思えば豪勢な食生活だったね。昭和も若いころの、東濃地方(美濃の東部)のはなしです。
 
 ヘボ、と呼んでいた、地面から獲ってくる蜂の子も珍重される滋養物で、美味、というんだけど、見た目はもろに虫だからわたしは食べなかった。
 ヘボ獲りはおとこ衆の娯楽?でもあった。蛙の肉の小片を真綿にむすび、真綿の端はほわほわにほぐして木の枝に付け、じっと待つ。蜂が肉を咥えて飛び始めると、それっと後を追うが、真綿のほわほわから目を放せないから道であろうが無かろうが、人の畑だろうが、目は宙に、ただ走る。
 蜂の巣にたどり着くと、セルロイドに火をつけてその煙を吹き込み、蜂が酔って弱るのを待った。
 ヘボ獲りに熱中して、子どもの下敷き板だの、おかあの櫛まで「燃やいちまって」どえろう怒られたげな、という話もある。
 そうして掘りだした地中の巣は何段にも重なり、蜂の子がぎっしり。巣が小さかった場合は、埋めておいて大きくなるのを待つ一種の養殖も行われた。
 近年、検索して見たら通販もあって、産地はまさに東濃だった。とても滋養があるで食べんさい、と瓶詰めの蜂の子を贈られ、恐縮&困惑したが、いまはその人も亡い。買えば高価だったはず。





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by buribushi | 2019-09-30 12:17 | たべもの | Comments(6)
Commented by kazuyoo60 at 2019-09-30 13:29 x
天然ウナギ、天然アユ、松茸も、今は昔ですね。蜂の子、スズメバチ、それもオオスズメバチの巣が目当てのような。テレビで見ていたら、土の中の巣でしたから。6歳くらいの時に、アシナガバチの幼虫を炒めて数匹食べた記憶はあります。
Commented by buribushi at 2019-09-30 16:09
kazuyoo60さま
魚沼では、アカガエルの皮を剥いて囲炉裏で焼いたものを「カンの虫の薬だ。おまえはカンが強いすけ、食え」と祖母が呉れました。
まむしの皮を剥いて焼いたのは、5センチくらい折ったのを貰って食べました。
カンが強い、とはカルシウム不足のことだったのかな。
Commented by 828summer at 2019-09-30 19:58
こんにちは。安房峠を通ったのですね。
わたしも何度か高山に行った時に通りました。
トンネルができたから、わたしでも今は運転して行かれます。
わたしが住むのは松本でも、
通称上高地線、国道158号沿いになるので、今回すばるさんは、
すぐ近くを通過されたんだなと思って読みました。

長野県ではへぼは、すがれ、蜂の巣を探して、蜂を追うのを、
すがれ追いと言いますが、やり方はすばるさんの書かれてたのと、
ほぼ同じじゃないかと思います。あまじょっぱく煮た蜂の子を、
ご飯に炊き込んで食べるのは、食べたことありますが、
おいしかったです。長野はイナゴとか、昆虫食が盛んだったので、
わたしはわりと蜂の子ご飯は平気でした。
Commented by mikeblog at 2019-09-30 20:37
昔は生活と遊びが一体化していましたね。大人の遊びと言うかその結果の獲物でした。
828summer さんも信州ですね。私も大糸線沿いの大町の手前です。やってたことは同じですね。すると蚕の蛹も佃煮にしたのを食べられたでしょうね。これは最高においしいと思います。熊んバチとかスズメ蜂の蜂の子は大きくて食べがいがありました。県内の道の駅とかスーパーでも売っているところがあります。虫食いの文化は伊那が盛んだとか。小学校の稲刈り休みの宿題がイナゴを300匹獲ってくる、とかで炒って持って行きました。それを粉にして給食のお味噌汁とかに入れたんですね。カルシウムをたくさん摂れるようにという親心だったのでしょうね。イナゴは今も売っているのでたまに買って食べています。
Commented by buribushi at 2019-09-30 21:32
828summerさま
まだ高速道がなかったころ、今回と同じ地点を車で行き来したことがあって、松本で緑色の美味しい葡萄を買ったのを覚えています。
それ以前は新潟と岐阜を行き来するのに中央線に乗りました。子どもを負んぶして、おしめの袋を持って。まだ紙おむつのない頃で、使用済みも持ち歩いたから大荷物。へんな話をしましたm(_ _)m
新潟は蝗、蛹、は食べたけど蜂の子を食べる文化はありません。あの山々にさえぎられて、行き来が乏しかったんでしょうか。
山の斜面にずーっと人家がある東濃や、長野各地を見て戻ると、新潟はのっぺりと平らだなあと思います。川が運んだ土で出来た平野だから土質が違い、野沢菜が作れるのは小千谷までなんです。
Commented by buribushi at 2019-09-30 21:45
ミケさま
楽しかったでしょうね。首尾良く獲って帰ると、みんなで祝杯、でしょう?いま、そういう、大人がいっしょくたになってわいわい遊ぶようなこと、あるのかなー。
手拭い袋に竹筒をつけて、朝の田んぼで蝗をとりました。あれはどうしたんだっけ。キーキー言って機嫌の悪い子をカンが強い、などと言ってたけど、あれ、カルシウム不足なんですってね。
長野を通ると食べるのはお焼きで、野沢菜のが一番すきです。魚沼から小千谷辺りまでは野沢菜が作れるけど、長岡から新潟へかけて、土質の違いで野沢菜を蒔いても筋っぽくて美味しくなりません。
魚沼にいたから、漬け菜は野沢菜が一番好きなんです。

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