おしゃべりきものⅡ-または、おしゃべりねこ

愛情の重さ・桃子さんのねこ

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 先頃、「猫ヲ読ム」に引用されていた石井桃子のねこに関わる文章「愛情の重さ」の全文が載っているエッセイ集「家と庭と犬とねこ」。
 ねこと書いてある。私も、けもの偏の猫という文字は、あの柔らかくて温かくて勝手でかわいい生き物にはふさわしくないような気がしていて、ねこと書く。

 「猫ヲ読ム」では、半月ほどの旅をしたをした桃子が、寒い夜明け、周りの家々はまだ寝静まっているころ帰ったら、自分の部屋のカーテンの隅がちょっと持ち上がって、そこから小さいねこの顔が覗いているのが見えた。
 その時のねこの心がすっかりわかったとは言わないが、木戸から出て行った人間は木戸から帰るということをつゆ疑わずに、ひまさえあればそこからのぞいていたというように思えた。

 そのねこを初めて見たとき、首から背中にかけて食い取られたような大きな傷があって、気味が悪く、家に入って来たらたいへんだと逃げ込んだほどだった。毎日来て外から見ているねこが、寒くなっても去らない。夜、外からカリカリ戸を掻くのを、心を励ましてがまんしていたが、道で寝ている野良猫に霜が降りていたという話を思い出してついに戸をあけるとひととびで入ってきてゴロゴロいった。
 これで、ねこの運命は決まったし、私の運命もきまった。
 湯たんぽにお湯を入れ、毛布にくるんで、これに寄りかかっていれば温かいよと教えて仕事に出る。手当てしてやった傷は、長い間かかって、周りから毛がはえて、深く咬み取られたまんなかがはげになって直った。
 おどろくほどまぬけで、ねずみもとれない。かの女に出来る事と言えば、ひとりの人間を信じて、決して疑わないことである。というくだりまで読んだ時、泣いた。
 

 



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by buribushi | 2018-02-19 20:46 | | Comments(13)
Commented by tsunojirushi at 2018-02-19 21:44
私も泣いたです、ここを読んで。
ずっと気になっている本です。読んでみたい。山で暮らした石井さんの人生の部分もすごいと思ってるんです。
Commented by buribushi at 2018-02-19 22:39
tsunojirushiさま
まさに戦争が終わる、というその時、山に入った桃子さんと友だちの生活は始まったんですね。経験のほとんど無い畑仕事で生きていこうとしたその力。
ねこの生き方に人間は及ばない、とおもうことがあります。ねこはいま要るものしか欲しない。うそや憎しみがない。
Commented by buribushi at 2018-02-19 22:41
追伸
遅くなったけど紐少し送りました。説明は本で無く、雑誌のコピーにしました。ドーゾ^^
Commented by ikoka at 2018-02-19 23:03 x
はじめて飼った猫のニャンちゃんが2月15日に亡くなりました。家の前の道路にいて、ぼーっとしていて、もしかしたらしぬんじゃない?て思い、ささみをあげたり、いろいろしているうちに、玄関にはいり、そして家族になりました。お医者さんで、高齢みたいだし、いろいろ数値も悪いから、長生きしないかも、と言われました。去年の夏ぐらいから少しづつ弱り、たべられなくないり、鼻からチューブでミルクをあげていました。たった2年しかいっしょにいなかったのに、毎日、涙が出ます。
最初は汚くて、臭くて、ふいたり、おふろにいれたり、爪を切ったり。やったことない同志、おっかなびっくり、ひっかかれながら、お互いに慣れていきました。
あの時は、けむくじゃらの小さな命がこんなにわたしを支えてくれて、大きな存在になるとは思っていませんでした。
ニャンちゃんにあいたくてたまりません。
どうか、寒くてふるえることも、おなかがすいてつらいこともこわいこともない、幸せな毎日を次の世界で送ってほしいと思います。
Commented by buribushi at 2018-02-19 23:23
ikokaさま
ねこ話でまた泣いた。
ニャンちゃん最後にikokaさんちの子になれて良かったです。
先代のねこ、ぶうちゃんは、娘が伊勢原に居たとき遊びに来る猫だったのが、あるときから宿無しになったみたいで急におなかをへらしているようになったって。三つねんねしたら長岡へ引っ越すけど、いいばあちゃんがお前を子にしてくれるから、良かったら行こう。そしたら引っ越し当日朝、玄関でねていたそうです。
汚れ、おでき、抜け毛、ぼろぼろでしたが、丈夫になったら7キロ半の大男。骨格が大きいので犬用の首輪をもらいました。
先々代のオジねこは弱虫でいじめられっ子、同じ毛色のぶうちゃんをオジだと思って来たよその猫をぶちのめして、かたきを取りました。私の布団で、私の枕をして寝るので、私は枕から落ちて端っこに寝ていました。
オジ話もぶうちゃん話もきりがない。彼らはタマシイが清らかだから、真っ直ぐいいとこへ行ったことでしょう。
ねこは天使よ。
Commented by mikeblog at 2018-02-19 23:24
「猫ヲ読ム」を私も読む。ほのぼのとした絵を見るのもいいですね。「猫缶はオレの食べるサバ缶より高い!」というのに笑いました。もっと安い猫缶もありますよね。
猫も犬も人間を頼りに生きているのですから野良だってかわいいです。今は野良はほとんど居なくなりましたが飼い始めると「この家」だと信じてまっしぐらに間違わずに帰って来るのがまた愛しいです。
Commented by すばる at 2018-02-20 11:37 x
ミケさま
「猫ヲ読ム」にあった石井桃子さんのエッセイの原文を見つけました。河出文庫「家と庭と犬とねこ」680円。半月の留守に、カーテンの隙間から外を見続けたねこのはなし。
「猫屋敷」になるわけにはいかないけど、のらちゃんは助けたいし。
Commented by kazuyoo60 at 2018-02-20 12:52 x
愛おしいとは、このことでしょう。人にも動物にも、心が通ったと思えるときがあります。
ねこ好きさんには、一番の本ですね。
Commented by すばる at 2018-02-20 13:03 x
kazuyoo60さま
>心が通い合ったと思えるとき
ほんとにそうですね。うちのねこが死んだとき、「おせわになったね」と言いましたもの。泣いていると手を嘗めて呉れたり、干し物がストーブに落ちた時大声で知らせて呉れたりね。
Commented at 2018-02-20 13:09
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by tokohouse at 2018-02-20 14:05
こんにちは
私猫飼った事無く、猫の可愛さ知りませんでいたが、猫って純粋なんですね。
ブログを読んで考え変わりました。
人を信じて、決して疑わないことそれが出来たら、人間もみんなもっと仲良く出来るのに...と考えました。
仲良くは大事です。
Commented by buribushi at 2018-02-20 15:15
tokohouseさま
いらっしゃいまし。
ねこ好き、って一つの人種?みたいです。今までに私にひどく辛く当たった人ってみなねこ嫌いだった~。え?私がねこなの?
どっちでもいいや。ねこは意地悪などしません。勝手だけど。マイペースとも言えますね。「猫ヲ読ム」を読むと、人はねこにかなわないと思ったりします。
Commented by buribushi at 2018-02-20 15:30
鍵コメさま
ありゃ。名前書かなかったんですか、何とマヌケな。コピー取りにに行く方と、郵便局が反対方向だったり、雪が・・ぐじゃぐじゃぐじゃ(言い訳)隠すほどのお名前ではございません。葉書でも出しましょうね、少々お待ちを。
合併前のこと、新潟県三島郡・氏名。だけで受け取ったことがあります。有名人なんじゃなくて、当地には無い名だから。うちと子どものうちだけです。
いま冊子が刷り上がってきて発送作業中なんですけど、申し込みはがきに無記名、ありました。筆跡から、電話。二冊申し込み、と緑のペンで書いたのあなたですか?あっ、わたしですっ!って。
選りに選ってこんな心配しーさんの所へ無記名でだしちゃった。ごめんごめんm(_ _)m

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