おしゃべりきものⅡ-または、おしゃべりねこ

カテゴリ:本( 94 )




進行中

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年にいちど、投稿作品を集めて冊子を作る。
去年一年間、週に一度、十二首ずつ新聞に載った、その作品集。
新聞の切り抜きと、選ぶ前のナマ原稿(新聞社から来る、投稿はがきのコピー)、いろいろな覚え書きや下書きのノート、これらを自分の周りに置いてしこしことやる。

苦労はない、楽しい。だから夢中になって、うしろのストーブで煮豆が焦げる(味をつける前だったし、そんなにひどく焦げたわけではないから自家用にして、義姉に送る分はまた煮る)。

作品集は、はじめは新聞社が作っていたのだが、売れなくて、採算が取れないということで立ち消え式に中止になっていた。あとを私が勝手に(新聞社に了解は取った)引き継いだ。
まあしかし、みごとに売れない。短歌というものが生産者と消費者の数が一緒、と言われているのだから当然だろうけど。

「自分が好きでやっていることだ。モンクあるか」と自分に言う。「・・アリマセン」
文句はないが、作る数を今年から減らす。製造単価は高くなっても、あまり残るよりはいいだろう。

オマケ写真、今日の雀食堂。朝のうちだけ、久しぶりに陽が射した。後半また雪になる。
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by buribushi | 2012-01-30 20:23 | 本・短歌など | Comments(8)

空に放ちし

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九州の行橋というところからポンカンが届いた。
去年、偶然、私が40代のとき作った第一歌集のことを書いてあるブログを見つけ、理解が嬉しくてメールした。そして第二、第三の二冊の歌集を送ったが、その人からの贈り物。子ども達の家へ持って行こうと、今、ポンカンを分けて袋に入れたところだ。

むかーし、読んだ詩、もううろおぼえだけど、「空に放ちしわが征矢は あはれいづくに落ちにけん」というのが初めのところで、歳月の後、矢は折れもせず木にとどまっていた。空に唄ったわが歌のもとすえは、友の心に表れた。というような内容だった。

あのブログを見てすぐ心に浮かんだのは「空に放ちしわが征矢は」だった。500部作ろうとしたら、思った数の一段上にしなさい、また作れるものではないから、と言ってくださった人があって、700部作った歌集のことだ。本の数としては微々たるものだとしても、それが散って行った世界は私には広く、文字通り あはれいづくに。

古本屋さんに流れるほどの歳月があって、そこへも行かず消え失せたものも多いだろう。自費出版の歌集なんて世の中には掃いて捨てるほどあって、自分にとってはどんなに思い入れがあり、どんなに苦労したとしても、数の内ということに変わりはない。

この年になって、こういうことに出会えたのは僥倖というものだろう。



by buribushi | 2012-01-20 12:02 | 本・短歌など | Comments(4)

イとエのはなし

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越後人はイとエの発音がニガテ、というか、区別がつかない、いや、入れ替わる?とにかくニガテ。
私は県外で生まれ、物ごころついたのに、両親が北魚沼なのでしっかりとそれを受け継いだ。

小学生の時、「ゐ」の字を見て「エノシシのエ」と読み、からかいのタネにされた。からかわれるので、直そうとするんだけど、イノシシ!と叫んだつもりでも、人はエノシシと言った、という。「ゑ」より、なぜか「ゐ」の方が後まで苦労した。
「ゐ」を見て、あたまの中で(これはエじゃない、イ)と翻訳していたから、いまは書く方も言うほうも大丈夫とは思うけど、その文字にほんの一瞬、目がつまずく。

小学校の学芸会で白雪姫の母になり(お姫さまの役はとうとう一度もまわって来なかった)「シラユキはエキテイル!」と叫んだそうで、その辺りを境に言う方も何とか、混じらなくなった。

いま、人さまの投稿短歌を選んでいるとき「思ひば(オモイバ)」「習へて(ナラエテ)」などと書いてあるのに出会うことがある。
「オモエバ(旧仮名でおもへば)」「ナライテ(旧仮名でならひて)」の、イとエの間違いなのだが、同県人の幸いでそこのところは分かるから直して置く。
ここまでしみ込んだお国言葉を持つということは、むしろうらやましいことだ。私はあちこち、別の土地で暮らしたので、イとエの区別はつくようになったかわり、純粋のお国言葉はあやつれない。

むかし「とんち教室」というラジオ番組があった。柔道の大家、石黒敬七という人がレギュラーで出演していたが、柏崎の生まれだそうで、越後訛りが抜けていなかった。
最後に「ない」がつく句を詠む、という時の彼の作品、「わたしゃイとエがわからない」。

私の大好きな沖縄の人もイとエで困ることがあるみたいだ。言葉の最初にエが来ると言いにくいのかな?喜納昌吉のライブハウスで、目の前に立ったショーキチは何度も「ィエイエン(永遠)」と言った。



by buribushi | 2012-01-14 10:30 | 本・短歌など | Comments(15)

巻二 夕顔・若紫

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あれよというまに、夕顔が、好きごころで連れ出された仮の宿で息絶えるところまで読む。嘆きながらも押し包んで運び出し葬って、帰って来てまた嘆き悲しんでいるけれど、いきなりいなくなった人の家では人々がどう思うのか。そちらには何の配慮もないのだ。
そして幼い若紫に目をつけたところまで読んだけど、文体や何かはともかく、このいい気な男の話をしまいまで読めるかしらという気がして来た。

巻一にあった、いわゆる「雨夜の品定め」もなんともむかつく話である。女を上品、下品(じょうぼん、げぼん)などと。
女性がこれを書いたのに、この場面はどういうことだ?

清少納言「枕草子」は澄んだエッセイで、いやなところはないし時々読み返したいところも幾つもあって、私の中では値打ちが全く違う。そして現代語訳より原文で読みたいところも違う。
紫式部のこのくねくね、ごたごたしたエネルギーは何なんだろう。

源氏物語を知らないと分からないことが国文にはあるから、遅ればせもいいところながら一応読もうとは思いながら、2冊目でいやになって来た経過報告まで。



by buribushi | 2012-01-12 22:52 | 本・短歌など | Comments(4)

谷崎源氏・他

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名古屋にいる同級生のユーゾーさんから荷物。谷崎潤一郎訳の源氏物語、昭和16年発行のものである。和綴じふうの装丁で、用紙も和紙のようだ。
これこれのものがあったから送る、と電話が来たとき、お礼は述べたが、ちらと(読むかなあ)という気持ちがしたのだった。
でも、いまだに源氏を通して読んだことはない。いい機会だと思って読むことにしよう。

ユーゾーさは(「さん」ではない、「さ」をつけるのがお国ぶり)、私が小学校2年1学期までと、中学3年2学期から卒業までを一緒に過ごしたキセル同級生で、本を誰かにやろうかと思ったとき私を思い出してくれたのはありがたいことだ。

源氏物語の他には、ビッグイシュー、さまざまな名言を書き抜いたもの、などが入っていた。
良寛の「災難に逢ふ時節にはあふがよく候 死ぬ時節には死ぬがよく候 是はこれ災難をのがるる妙法にて候」とか、
ガンジーの「明日死ぬと思って生きなさい 永遠に生きると思って学びなさい」など。
ガンジーの言葉は初めて見た。有り難かった。

最近知った話。ある三味線の名手がいうに、「演奏は上手だが音が濁っている人がある。下手なのだが音は澄んできれいな人がある」これは修練のほかで、どうしようもないことなのだという。もとの話にはこれにみな固有名詞が入っていて、分かりやすく、じつに興味深かった。
あっ、歌(短歌)にも通うことだと、すぐそう思った。
そして人々の歌を見るに、どちらであるかはじつにくっきりと見えるのだった。
そつなく歌にまとめているが、読む気持ちの「涼しくない」ものと、手を入れなければ歌といいにくいような作品なのに、少し整理してみると何ともいい歌になるものとあるのは前から分かっていた。

このことをもう少し前からちゃんと意識していたらしないで済む失敗もあった。



by buribushi | 2012-01-11 21:29 | 本・短歌など | Comments(6)

出雲崎・希望のしくみ

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冬の海は色彩もなくて、沖から波が寄せては防波堤にうち当たって高くしぶきがあがる。
小魚でもうち寄せられるのだろうか、水際にウミネコがたくさん、風に吹かれていた。
魚屋さんも、道の駅も、人影が見えず、しんとしている。山国の冬は雪が深くてたいへんだけど、海辺の冬も寂しいなあ。
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「希望のしくみ」という本を読んだ。
スリランカ初期仏教界長老、アルボムッレ・スマナサーラと養老孟司の対談。仏教と科学が、お互い実になめらかに意思が通い、理解しあって「真理」を語る。

アルボムッレによれば、日本仏教の各宗派が唱えているお経は、釈迦没後何百年も経ってから坊さんが書いたもので釈迦の言葉ではない。釈迦の語る真理はシンプルで衝撃的。
日本の仏教は自分で解釈して宗派を立てた祖師を信仰しているので、釈迦の言葉は信仰するのでなく実践すべきもの、祖師をのみ信じているのは仏教でなく何々教であるという。
私は信仰に入ろうとしたことが2度あって、1度も果たさなかった。(これは一部真理かもしれないが、これを始めた△△氏の考えが濃く入っていて、それに馴染めない)と思うのだった。
そういう自分をなにか欠陥があるのだろうかと思ったこともあるが、健全だったのだとわかる、それだけでもまず、読んだ価値があると思う。

フランス人と中国人が日本人のことを「彼らは生きていない」と言うだけですっと通ずるものがあったはなし。

ス「彼らに取っての人生はパックツァーみたいなもの。何日に出発して何日に帰る、何処と何処へいくと旗のあとをついて歩いて安全に行って帰って「旅をした」。人生はそうじゃないんだけど」
養「そう。ほんとにパックツァーだと思ってる」
編集者「横道にそれる快感をしらないんですね」
養「それは横道かどうかもわからないんですよ。いまの表現は非常に日本型で、人生に正道があると思ってるんだ」
編「あ、そうか」
ス「道があると思ってる」
養「だったらわが道を真っ直ぐ行きゃいいじゃないか、パックツァーなんかじゃなくね」
というくだりとか。

ちょっとこれ、よく読んで、少しなりと生き方が変われるような気がした。



by buribushi | 2011-11-25 16:46 | 本・短歌など | Comments(12)

ローズヒップ・他

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夫についていったム〇シで、半額コーナーにローズヒップを見つけて買った。
紅い実は何でも好きなので、前に新潟へ行ったとき市場の花屋さんでローズヒップを3本買って、帰るとすぐ下の方を切り取って挿し木し、また実を潰してタネ蒔きをした。
それが活着なり、発芽なりしたところで、実がなるのはずっと先だろう、これはともかくいま実がついているのだから、来年はかならずまた実がつくはず。

ピンクの5弁の平凡な花が咲くらしい。それから紅い実と、紅葉も見られるらしい。オールドローズ系なので丈夫で、管理は簡単、棘も少ないという。
ローズヒップ・センセーショナルファンタジー と、たいそうな名がついていた。

河出の「文藝別冊・佐野洋子追悼総特集」を読み返したら、また彼女の本が読みたくなった。本棚へ行って本の背の題名を読む。「私の猫たち許してほしい」は、最初に出会ったエッセイで、ただ「猫」という文字が入っていたから買ったにすぎない。それからは彼女の名前を見るたびに読まずにいられなくなった。
「もぞもぞしてよゴリラ」は絵本で、読んで号泣また号泣したなどという本は他にない。本の世界と、その時の私の生(せい)のありさまがよく合ったのだろう。
「百万回生きたねこ」を幼い子に読んでやるときも泣いて読むのが途切れたけど。

「乙女ちゃん」
「佐野洋子の単行本」
「私はそうは思わない」
「覚えていない」
「ふつうがえらい」
「友だちは無駄である」
「食べちゃいたい」
「問題があります」
「神も仏もありませぬ」
「役に立たない日々」
「シズコさん」
「死ぬ気まんまん」
「そうはいかない」
書き出していると、なんか否定的な語が多いな。
夫だった谷川俊太郎と、一人息子の広瀬弦の対談も読みかえす。結婚しなければよかった、友だちとしてはあんな面白い人はない。肉親でなければ面白い。と二人して言っている。

これが、「みにくいあひるのこ」を読んでもらって、「なんであひるじゃいけないんだよ。あひるに悪いじゃんか」「あひるはあひるとしてりっぱに生きていけばいい」と言ったげんちゃんか、とつくづく写真を見る。



by buribushi | 2011-11-17 20:43 | 本・短歌など | Comments(2)

ポリゴナム・Nさんの手紙

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上の写真はは8月初めの、下はつい先日の、同じポリゴナム。
昨年友だちから一株もらったものを鉢に植えて置いた辺りに、今年ただ1本生えたポリゴナム(ヒメツルソバ)が、随分大きくなって沢山花が咲いた。
他に友だちから贈られた幾株かのポリゴナムを地面に植えたものも元気になって花の続きがつきはじめたし、来年は大ポリゴナム持ちになること、間違いなし。

先日、今年初めての年賀欠礼の挨拶状が、投稿家の一人Nさんから届いた。お母さんは百六歳で、最後まで施設にも入らず、「老木倒れるがごとき大往生」だったという。
お線香代わりと申しては何だけれども、今年作った投稿作品集をお送りした。Nさんの作品も載っているが、お取り込みで気がつかなかったかも知れない。
またお手紙を頂いた。お母さんは足が悪くなってベッド生活4年3か月、うちが一番いいよう、と言いながらも週2回のディサービスは楽しみにしておられたという。
歌壇はせんせいのかいせつ(作品へのコメント)が面白い、と、その日の新聞を枕元に何日も置き、片付けようとすると「まだ見るがだい(まだ見るんだよ)」と言われたという。
投稿せず手紙も下さらない人のなかにも、こういう読者があるのだということは有り難く、心が温かくほとびる思いがした。



by buribushi | 2011-11-14 21:15 | 本・短歌など | Comments(6)

ほん

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去年の今ごろ蒔いてよく発芽し、うれしかったソラマメが、冬越しに失敗して全滅した。野菜つくりの本を立ち読みしたら、そのソラマメも、落花生も、簡単だと言われるのにあまりよく出来ないカボチャも、図解でよく書いてあったので買う。

石牟礼道子の本なら何でも良かった、あんなガラスのように澄み透った人の書くものなら何でも読むのだ。珍しくも食べ物の本で、「消費税をもう2%頂きます」と言われる1994年発行。大きな書店だからか、よくまあ返本でごみにもされず、生き残ってくれた。
調理された食べ物の写真も載っているし、レシピというはっきりしたものはなくとも、真似して作れそうなものもある。
あいだ、あいだにあの情の濃い熊本弁で、おばあさんの述懐などがある。ひたひたと気持ちのうるおう本。

もう一冊はまたもや整理本。読むだけじゃだめだって?だってー。


日が暮れてから、新聞店のご主人が集金に来た。新聞代じゃなくて、読解力試験の受験料を、ということだった。おや、あなたの方に手が回りましたか、と、払う。テキストが要るかと聞かれ、まあいいわと断ったのだが、夫がやるからには万全を期せば、というので、電話であらためて注文した。受験料5千円テキスト千なにがし、結構かかる。
「緑花試験」というのが年に一回あって楽しみだったが、終了した。これにしても読解力にしても、受験勉強が要らない、というかして見ようがないのが気に入っている、好きな分野だし。まあドウラクの部類です。



by buribushi | 2011-10-25 16:46 | 本・短歌など | Comments(2)

雨後のとうもろこし

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天気予報が「大雨洪水警報・雷注意報」などというほどのことはなかったが、結構いい雨が降り、畑にはなんの心配も無くなった。やれやれ。

ハシモトさんが、家で通称藷の親方と呼ぶサツマイモ好きの大工さんと来て、薪用に貰ってある木のいいところを材木として使うために軽トラに積んだり、片づけで出た電機類を積んだりしていく。

遅朝飯を食べて来たのでゴハンは要らないが、藷が食いたい、ということで、保存した藷の最後を蒸かして出した。残りを貰っていいか、と、紙袋に入れて行った。
なんのたくみもない、藷が食いたいから藷が食いたい、と言うので、あの人たちに遠慮なくされても少しも嫌な気持ちがしない。

「越後古代史の研究」は、図が面白いだけでなく中味も面白い。
石器時代の人は海岸沿いに住んだので、遺物の発掘されたところを繋いでいくと当時の海岸線になる話。

明治26年ごろ出た地方誌に古志郡名木野村の口碑が載っているが、尾首ともに八つある大蛇の伝説は古事記・日本書紀のものとほとんどおなじである。
娘を差し出した名木野村の長者の名は「稲田」で、代々稲田を名乗り現存する、とあるが、記に「櫛名田(くしなだ)姫」とある名は、紀では「奇稲田姫」。同じ事件を述べているとしか思えない話、とか。

著者が越後の人に違いない証拠には、堂々たる文章のなかに「い」と「え」の混同があるのもほほえましい。
さすがの活字中毒者にもさらさらと読み流しは出来なくて、眠さに本を取り落とすまで読んでもあまり進まない。

写真は雨後の庭畑。Mちゃんに貰ったもちとうもろこしは、2メートルになんなんとしてようやく赤っ毛のちぢれっ毛を表し始めたところ。オクラも元気、サトイモ息を吹き返す。

今夜、今年はじめての馬追の声を聞いた。



by buribushi | 2011-07-28 20:32 | 本・短歌など | Comments(8)

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