おしゃべりきものⅡ-または、おしゃべりねこ

カテゴリ:本( 90 )




料理の本1960年~2016年

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1960年(昭和35年)発行の婦人之友社版。基礎編は米のとぎかた、ご飯の炊き方から載っている。
野菜篇、乾物豆腐篇、肉、さかな、全部ある。汚れて傷んで、補修しながら読むこと半世紀以上。お正月の煮しめはずっとこの基礎編がお手本で、孫達が「これこれ、この味」ときれいに食べる。

これがわたしの最初の料理本であって、その前は新聞の切り抜きをノートに張って見ていた。レシピの処に何々を何十匁、と書いてある。



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「おそうざい十二か月」は暮らしの手帖社の本、「総菜は創造」はクロワッサンの本。「琉球料理」は沖縄の古本やさんで。
「総菜は創造」は続編と2冊ある。「うちのおかずの、いつものあれ」という投稿を集めた本で、私も採用になって原稿料を頂いた。何を何グラム、などとは一切書いてない、ユニークな料理本。だから作りやすい。
「琉球料理」では、さーたーあんだーぎー、ふちゃぎ、各種チャンプルーやじゅーしー(炊き込みご飯)、じーまーみーとーふ(落花生豆腐)、「私もそんなに作らないよ」と沖縄の友人に言われるほど沢山真似した。



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「暮しの手帖のクイックレシピ」は買ったばかりの一番新しい本、「旅してみつけて、わが家の定番になった地方ごはん」「平日おかず11品」も今年の本。
いい料理の本は、読んですぐ作りたくなるものがあって、それが「いつものあれ」になって行く。

14ページの小冊子「平日おかず11品」でも、作って食べたもの3品、まだ作りたいものもある。
「旅して-」のなかの結ばない昆布巻きなど、もう何回作ったことか。この5日発売の「クイックレシピ」さえすでに「いつものあれ」になりそうなおかずあり。これでもう料理の本は要らない。



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オマケ写真。娘のうちの障子、ねこズが引っ掻こうとしてお母さんに声を掛けられて止め、またひっかこうとしてはっ、と気が付いて止め、した跡。


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by buribushi | 2016-12-12 17:49 | 本・短歌など | Comments(6)

森茉莉「魔利のひとりごと」を読む

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森茉莉の全集未収録作品(エッセイ)に、佐野洋子がエッチングで挿絵をつけた文庫本。どちらも大好きな作家なので喜んで買った。3年くらいは経っている。
何回読んでも飽きることがない、こういうのを「いい本」とは言う。

裏表紙に載せてある佐野洋子の文章。
「私は森茉莉から沢山のものを学んだ。幸せで美しい世界は存在するものではなく、自分で勝手に創り出すものである、もうそれは、事実がどうであれ強引に創り出すものであって、それが出来る魂を大切に大切に手入れをしなくてはいけないという事であった」と。

実際を知れば、森鴎外のお嬢さんで、満16歳で親のすすめる結婚をし、男の子二人を置いて離別。再婚の相手とは、歌舞伎を見に行く許しが出て喜んで上京したら、追っかけ、帰って来るに及ばないと言われてそのまま離別。
父の森鴎外の小説について、全肯定の妹の杏奴、批判も含むもの言いは茉莉。
茉莉の小説はあまり好まない。エッセイは何回でも繰り返し読み、そのたびに新鮮なきもちがするのだ。

この本にも、石鹸の好みについて陶然と語っているかと思えば、パリで、暗く、深く、深紅に透る最高級のルビーを買った話(しかもそれは人に盗られて失ってしまう)とか。

パリのマギャザン(百貨店)、ラファイエットの店員のはなし。
足元にひざまずいた優雅な縫い子が、「彼女は名人の大工のように、小ピンを口に含んで、軽く洋服をつまんでゆくと同時に手早く、体と不即不離のところへピンを打って行くのである。栗色か、ブロンドの、髪の多すぎない小さな頭は、項のところで小さなシニヨンにまとめられ、その髷に細い、紅い鉛筆を挿しているのが、日本のいきな、呉服屋の番頭が耳の後ろに筆を挟んでいるのに似ている。黒の形のいい制服に、黒の靴。紅いのは鉛筆だけである。」
見た事も無いパリのマギャザンの華奢な売り子がはっきり、眼に浮かぶ。まだ10代の若い奥さん、茉莉が、夫の留学先へ一緒に行き、(私はフランス人と気質が似ている)とパリにしっくりはまって暮らした日々。

かと思えば、独身・中年で独居の茉莉が、郵便局とか銀行へ行けば、はんこがどうとか、結び方がどうとか、
再三行かねば用が済まない。自分の体質に合わない、場違いの場所に行く感じ。「もっとも困った事にそれらの窓口だけではなく、たいていの場所が私にとっては場違いであって、それは私の方が場違いだからに他ならない。」

ほんとうの文筆家、ほんとうの芸術家。
もうあと何十年も本を読み続けられるわけがないので、本物を読んでいたい。本物は、何回読んでも新しい。




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今朝の空。
朝の間は陽射し温かく、空青く、いい日だと思ったが、予報通り昼頃から冷たい雨になり、しんしんと冷える。
夫は早い入浴を、私は足湯をした。今夜は湯たんぽを入れよう。






by buribushi | 2016-10-25 15:39 | 本・短歌など | Comments(2)

瑠璃色の-弥彦歌碑

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弥彦公園。

画面左に歌碑。


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公園内、先師・宮柊二、大先達・中山礼治の歌碑。
建立委員で師の作品を選定したとき。まず、一人3首ずつ書いて提出、一首目3点、二首目2点、三首目1点で集計ということをした。
3点入れたのは私だけ、ほかに1点が一人。と、いう作品が結局歌碑になったのだが、あきらかによその土地で詠まれたものは除外。あまりに季節感がはっきりしているのも除く。と、詰めていった結果、そうなったもので、自慢しているわけではなくて事実を述べるまで。歌碑の前に立つとき、私のみの感慨はある。
昭和天皇がご病気で、歌碑に刻む年号のことを心配した、という時代。



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歌碑の傍を流れ止まぬ清流があるというのは、幸せな立地。
歌碑の場所の選定に行ったときと同じ季節で、今年も椎の実がたくさん落ちているのを拾った。





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公園内を流れる川は滝になって池へ、



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小さいきのこがあったので、椎の実ひとつは私が転がして撮った。



by buribushi | 2016-10-09 19:19 | 本・短歌など | Comments(0)

乱読家の夏

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朝、鉢に水を撒き、ちょっと葱の土寄せをするとか、トマトや豆を摘み取る程度で汗みづくになって戻ったら、ぬるま湯を被って着替えてもう夕方まで出ない。
暑さの中で働く人々に申し訳ないことながら、約80歳(もう10ヶ月くらいは70代)の準インキョゆえお許しを。

乱読家で何でも読む。
「日本史の謎は地形で解ける」は、何回目かの読み返し。「なぜ信長は比叡山延暦寺を焼き討ちしたか」とか、「元寇が失敗に終わった本当の理由とは何か」「なぜ徳川幕府は吉良家を抹殺したか」などの歴史上の話が、地形からあっさり謎解きされている。

今回「脆弱な土地・福岡はなぜ巨大都市となったか-漂流する人々の終の棲家」に、「B型肝炎ウィルスの亜種分布」という章があった。
箒木蓬生の「白い夏の墓標」にB型肝炎ウィルスのことが出てくるという。その本は読んでいない。
日本とその周辺のB型肝炎ウィルス亜種「r型」と「w型」分布には歴然と地域差があるという。r型は九州に多く、北上につれてw型が増える。
r型の比率は福岡92%、広島89%、神奈川77%、東京68%、秋田46%。
北海道は東京と同じ、逆に距離的に近い沖縄は14%。
中国、韓国はr型が100%でw型は0。
台湾、フィリピン、インドネシアでは逆にr型が0でw型が100%。

推論。「原初の日本民族は南方系であった。そこへ中国大陸からの人々が九州ないし本州西端に上陸、ゆっくり北上。明治になって各地の人々が北海道へ移住したので、平均化されて東京と同じ値。
他方、r型の人々は南下しなかったので、沖縄はw型の原型を保った」
面白い仮説!わたしは果たしてどちらなのか、血液検査でわかるものならぜひ受けたい。

長くなったので、もう一冊の本の話はまたあとで。

上の写真はうちのミニトマトと黒小豆です。本となんの関わりがあるか、って?「赤と黒」です。お後がよろしゅう・・・

(ハシモトさんに一握りの種子を貰った黒小豆、大変良く育ち、後半雨不足で弱ったけれども、熟すに従い採って来て干した小豆が600グラム余。まだなっている。充分タネになり、食べることも出来る)





by buribushi | 2016-08-25 14:31 | 本・短歌など | Comments(9)

中野翠「この世には二種類の人間がいる」

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中央図書館から電話あり。「図書の間にあなたの預金通帳がありましたのでお預かりしています」ギャー恥ずかしい。見失った通帳は生活の方のではなくて、わたしへのささやかな振り込みと、旅行や本など、わたし自身の支出が記され、へそくりというか、私有財産?の全部が入ったもの。
黙ーって探していたがどうにも見つからないので、紛失届を出した。
図書館は遠く、バス終点の駅から更に乗り継がないと行けないので、夫に車を頼めば白状しないわけには行かない。
で、行って来た。ついでに借りて来た本、エッセイばかり五冊。
「暮らしを旅する」は、冷やした果物をそっと搾ったジュースのような、上品な、後味のいい文章。建築家である作者が建てた「小屋」と呼ぶ小さい住処など、なんと羨ましいことだろう。

「この世には二種類の人間がいる」は痛快な本。
「大通りを探す人と路地を探す人だ」
「マニュアルを読む人と読まない人だ」
「化ける人とさらす人だ」
「あのかたをヤワラちゃんと呼べる人と呼べない人だ」
「見落とされがちな人と見とがめられがちな人だ」
「踊る阿呆と見る阿呆だ」
「ペットを飼える人と飼えない人だ」etc.50種類の組み合わせが書いてある。
わたしどっちでもないや、などというのは皆無に近い。表題だけでぱっとどちらかわかる(当たり前か)。
踊る阿呆、と、ペットを飼う、の他は全部後者であることを再認識、50種類ほとんどぱっぱと仕分けられる小気味良さ。「キメツケに怒る人と喜ぶ人だ」というのもちゃんとある。
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私の活字中毒は子どものころからで、何を止めても本は止められない。


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by buribushi | 2016-03-05 18:53 | 本・短歌など | Comments(8)

古事記・和那美の水門(わなみのみなと)は何処だ

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弟(畑に吹く風)の後塵を拝して、池澤夏樹訳の「古事記」を読んだ。
弟も同じ事を言っているのでちょっとあれだけれども、私も大いに面白くないのでやっぱりしゃべりたい。

十一代垂仁天皇の子、品牟都和気命(ホムツワケノミコト)は、髭が長く伸びても口をきかなかったが、あるとき高い空を飛ぶ鵠(くぐい-白鳥)を見て初めてかたことを発した。
そこでヤマノベノオオタカという者をつかわしてその鳥をつかまえようとする。
木の国(紀伊)、針間(播磨)、稲羽(因幡)、多遅麻(但馬)、近淡海(近江)、三野(美濃)、科野(信濃)、高志(越前、越中、越後)と跡を追って、高志の国、和那美の水門(わなみのみなと)でその鳥を捕まえて献上した。その鳥を見てもホムチワケ(ホムツワケと同じ)は口を利かなかった。

と、いうくだりがある。「和那美はわな網だろう。そういう地名があったわけではないらしい」と池沢氏はあっさり片付けている。

ちょっと待て。
私の郷里はいまの魚沼市、旧堀之内町の、小千谷寄りの外れにある。魚野川が流れて、その河岸段丘の上には父祖の代からの畑がある。魚野川と段丘の間に集落があり、国道17号線とJR上越線が通っている。

子どもが歩いて行ける距離に川口町の和南津(わなづ)集落がある。集落の始まる手前の、道路脇の崖に、貝の化石が白く層をなしていたが、後で知るに海の貝だということだ。

段丘の上の畑は、1センチ積もるのに100年かかるという、関東ローム系のほくほくの土で、弟は数千年分の土を耕しているわけだ。畑から出土した磨製石斧が生家にある。古くから人の気配のある土地。
魚野川の対岸の山道を登ると旧山古志村。小学生の時遠足に行った距離だ。ここは古志郡山古志村であった。町村合併で古志郡が減り次ぎ、最後の古志郡だったが、中越地震の後長岡市に合併してその郡名は無くなり、山古志の名だけが残された。

古志の国で、和南津。水辺。白鳥。水門は港、津も港。
和那美の水門は和南津を置いてどこにある?実在でなくて何?と思うのだが。古事記には、怖れのあまり屎(くそ)をして、袴を汚したのがもとになった、という地名さえあるのに。

なお、弟の説を勝手に紹介すると、中越地震の時の激震地帯を見るに、地層の大きな境目がひどく揺れたのではないか、という。河岸か、海岸か?巨大な庭石が飛び上がり、ひっくり返って落ちた、というところが魚野川の対岸にある。
(私は物語と史実を混同している。古事記は?)



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by buribushi | 2016-02-27 11:58 | 本・短歌など | Comments(4)

文庫本「日本史の謎は地形で解ける」

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このところの地図・地形・地質への興味から、長岡市関原にある「新潟県立歴史博物館」へ行って来た。
そこで買って来た本。著者は建設省(いまの国土交通省)でダム現場を数々見る仕事をして、地形と気象に経験と知識を積んだという。
地形を見ていると、いままでの定説と違う歴史が見えて来る。地形と気象は動かない事実なので、そこから見た歴史をまとめた。
「なぜ信長は比叡山延暦寺を焼き討ちしたか」「なぜ徳川幕府は吉良家を抹殺したか」「実質的な最後の征夷大将軍は誰か」等々、定説に無い解釈が納得出来る。

弥生人に追われて縄文人は蝦夷地へ逃れた。私は自分を「縄文度」の高い、縄文人の末裔と思っているが、季節・気候と切り離せず一斉に仕事(稲作)をしなければならない弥生人の気質、と言われてみると、いよいよ私は縄文の裔だわ。征夷、の夷、とは、狩猟民族、すなわち縄文系だからねー。
わたしには征夷大将軍のくだりこそ読み過ごせないはなしだった。


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地図は期待したようなものは見られなかった。
これは図の外に少しだけある文字が読み取れなくて、図の中には何も書いてなくて。


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ボタンを押すと点灯して、交通(港)を表す地図。


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近くで発掘された土器の破片、石器など。
石斧の左から五番目、つるつるに磨かれたものが、形、質感とも生家の畑から出たものに似ている。



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鏃(やじり)などを作った材料、黒曜石の破片。この辺りで産したとも思えないが、どこから運ばれたものだろう。ここから見始めたので、写真の順は下から上へ、と、逆になっている。


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by buribushi | 2016-02-10 16:23 | 本・短歌など | Comments(9)

言葉って、すごい-高山なおみブログ「日々ごはん」から

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17日、18日分の高山なおみブログ「日々ごはん」を読んで心が固まっていた。きのう、19日分からの更新あり。「ほいじゃが、SMAPと同じタイミングだったのが面白いのう」と、スイセイは気楽な事をいっているし、なおみは夕飯にスイセイのリクエストで麻婆豆腐丼を作った。

なおみ30代のエッセイ集「帰ってから、おなかがすいてもいいようにと思ったのだ。」のブックレビューをなおみが読む。
「まだ何者でもなかったころの苦悩や葛藤が、現在何者かになろうとして悶々としたこころで生きている人や、過去にとらわれて立ちすくんでしまっている人の胸の中の深い深い部分に共鳴していく」「自分に正直であること、誰がなんと言っても自分の好きに誇りを持っていい。それは自分の核となり、いつか自分を救ってくれる」

「料理家だ文筆家だと名乗っているが、まだ何者にもなっていない。お腹の中にある「どうしてもやってみたい」気持ち、神戸に移住してまでやろうとしていること。気持ちがゆらぐ時は先が見えなくなって立ちすくんでいる。
あのころ自分が書いた言葉が本になり、若い人が、何十年も経ってからどこかで読んでくださった。
その言葉がこうしてまた私のところに戻って来てこんな風に胸をつかまれ励まされるなんて。
言葉って、すごいもんだな。」

言葉は、すごい。私もそう思う。

でも、「やってみたいこと」のために、神戸の「古いロシアのホテルのような」マンションと、庭のススキ抜きも終わったかどうか、水道もまだ直っていなくて外からホースで汲む山の家とに別々に住むということが、理解できない。「何層も積もった川底の泥が剥がれるように」の意味深な言葉の表すものもまだわからない。

なおみの文章はまだ読みたい。料理の本は、もういいかな。最新の「ごはん」の本には、卵かけご飯の作り方まで出ていた。書きすぎ、あるいは書かされ過ぎ。初めてそんな気持ちがした。いまは卵かけご飯の作り方もわからない人がいるのかもしれないが。



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by buribushi | 2016-01-28 22:05 | 本・短歌など | Comments(4)

象牙色の角が生えた小さな鬼-「家守綺譚」など

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この作家の物を読むのは初めて。文庫本の帯に又吉直樹が紹介文を書いていたので手に取ったのだった。
主人公は「駆け出しの物書き」で、ボートで行方不明になった学友の家に「家守」として住む。ある日床の間の掛け軸の絵からボートに乗った友が現れて言葉をかわし、また絵の中に帰って行く。それからも時々出現する。

庭のサルスベリの木に「懸想」されたり、拳より小さい鬼に出会ったりする。小鬼はとうもろこしのヒゲに似た髪のなかから、まごうことなき象牙色の角が見えた。自分の何倍も重そうなフキノトウを軽々持って帰って行く。
水に入れればまた河童に戻るという干物?を拾ったり、和尚からタケノコを貰った直後にまた同じ和尚がタケノコを持って来て、今朝狸にタケノコを掘られた話をしたり。

異界とこの世が入り交じる日々、それを少しも不思議がらない隣のおくさん、やってきて居着く犬は友が名付けて行く。彼が生前飼いたかった犬。
それを食べれば自分も異界の人となり、日がな一日憂いなくいられるようになるみずみずしい葡萄をすすめられて、主人公は食べない。そういう生活は-「私の精神を養わない」。友はきっと葡萄を食べたのだ。

幻想のような話のなかに、いきいきとほんとらしいところがまじり、読み終わるまで眠るわけにいかなかった。



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同じ作家のエッセイ集。学生時代を過ごしたイギリスの下宿の女主人やそこの住人達の人間像が深くいきいきと語られる。英語を母国語なみに話せる人の外国暮らしとはこういうものなのか。

列車で旅行したとき、確かに切符を取った個室に、車掌が入れてくれない。通路に面した席をここだと言う。彼の態度に軽い人種的偏見を感じ、一歩も引きたくない。
いろいろあって、個室に入ることが出来た。車掌がベッドメイクに来る。
「あなたが私の言うことを信じてくださらなかった、あのとき。わたしは本当に悲しかった」
うつむいた彼の顔が一瞬で真っ赤になり、何も言わず黙々と作業を終えて、おやすみなさいだけ言って出て行く。
列車を降りるとき、彼は手を取って「いいご旅行を」とつぶやき挙手の礼をした。「ありがとう、あなたもいい週末を」このエピソードも印象深い。

ウィンストン・チャーチルとそのナニーとの心あたたまる関係は、まるで太宰治と越野タケさんとの関係のようだ。という一節は、たちまち理解出来るたとえ話で、こういうとき自分が本好きであることを幸せに思う。

また、この作者の本を次々読むだろう予感。


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by buribushi | 2016-01-07 23:28 | 本・短歌など | Comments(4)

本の貸し出し控え

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「図説 日本の絣文化史」という大冊の本を人に貸したことがあった。貸し渋ったのを、ぜひ見たいと言うことで、日付と名前を書いた借用書を置いて行かれたのだ。

何ヶ月、ではないもっと長い日にちが過ぎ、本棚を見て借用書を見つけた。借り主はもう忘れていて、借用書を見て思い出したが、その時は古書として売られた後、という意外な結末。
なんとしてでも手に入れてくれ、幾らであっても弁償するからと平謝りされた。ネットで探して、幸運にも一冊だけ出版元にあったのを買った。定価だった。

ド○ロクの作り方の本など、行方知れずになって買い直したのもまた見当たらない。必要になって探したとき初めて貸したのを思い出すので、相手の名も忘れている。
「貸し出しません」などと書いて貼って置くけど、効き目は、さて。
本好きの人はたいてい自分で買うし、貸してもすぐ読んでしまうから大丈夫なので、経験によりアブナイ相手は解って来た。あなたを疑うわけじゃないけど、一応書いて置くね、と、書名と名前を書いて本棚にピンで止める。味噌の作り方が出ている本一冊、本日貸し出し。


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by buribushi | 2015-12-27 14:35 | 本・短歌など | Comments(6)

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